交流回路とは?抵抗・コイル・コンデンサのそれぞれの違いについて解説

第二種電気工事士 交流回路

電気には直流回路と交流回路が存在します。
今まで、直流回路におけるオームの法則や、合成抵抗の求め方について解説してきました。

今回は、交流回路について解説していきたいと思います。

そこで、今回は第二種電気工事士の仕事内容や、魅力について徹底解説していきます。

交流回路とは?

直流回路では、電圧と電流が一定であるのに対して、交流回路では時間の経過とともに電圧と電流の大きさは変化します。

直流回路・交流回路
  • 直流回路:電圧と電流が一定
  • 交流回路:時間経過とともに、電圧と電流の大きさは変化

交流電気の波形は正弦波交流と呼ばれ、私たちの日常生活で利用している電気も正弦波交流波形となっています。

時間tの経過とともに極性が交互に入れ替わります。
正弦波交流波形で理解すべき内容は以下の通りです。

交流回路の用語
  • 1周波:上昇と下降の1回の繰り返し
  • 1周期(s):0→プラス→0→マイナス→0にかかる時間
  • 周波数(Hz):1秒間に繰り返す周波の数
    • *1秒間に50回正弦波を繰り返すと周波数は50Hzとなります。
  • 実行値:交流の電圧や電流の大きさ
  • 最大値:波形の最大値

実行値と最大値は、以下のような関係性となっています。

実行値・最大値
  • ${実行値 = \dfrac{最大値}{\sqrt{\smash[b]{2}}}}$
  • ${最大値 =\sqrt{\smash[b]{2}} ×実行値}$

交流回路の基礎回路とは?

直流回路では、電気の流れを妨げるものは「抵抗のみ」でしたが、交流回路では、「抵抗だけでなく、コイルやコンデンサ」なども電気の流れを妨げる抵抗成分となります。

電気を妨げるもの
  • 直流回路:抵抗のみ
  • 交流回路:抵抗、コイル、コンデンサ

交流回路ではそれぞれの抵抗成分によって波形に以下のような影響があります

位相
  • 位相のずれ:電圧と電流の時間的な波形のずれのこと
  • 位相とは:波形のこと
  • 位相差:元々の波形と、位相のずれの差

①抵抗回路の場合

抵抗のみ
  • 位相差:なし
  • 電圧と電流の差:同時

交流回路に抵抗のみを接続すると、「電圧と電流に位相差がなく、同時に変化」します。(これは同相と言います。)

電流Iの求め方は以下の通りです。

電流の求め方

${I = \dfrac{V}{R}}$

②コイル回路の場合(誘導性リアクタンス)

コイルの場合

・位相差:90度遅れる
・電圧と電流の差:電流は電圧より90度遅れる

交流回路にコイルを接続すると、電圧より90度位相が遅れた電流が流れます。
交流回路では、コイルは誘導性リアクタンスと言い、コイルが交流電流を妨げる働きをします。
なぜコイルが誘導性で遅らせるかは以下の通りです。

ワンポイント

コイルはコイル自体に電流を流しています。
また、コイルが抵抗となりますので、抵抗成分がある分遅れる。
つまり、誘導性リアクタンス=遅れるとなるのです。

電流Iの求め方は以下の通りです。

電流の求め方

${{{I}\scriptstyle L} = \dfrac{V}{{X}\scriptstyle L}}$

誘導性リアクタンスを流れる電流は、周波数が高くなると流れにくくなります。
周波数は電流に反比例し、誘導性リアクタンスと比例します。

③コンデンサ回路の場合(容量性リアクタンス)

コンデンサの場合
  • 位相差:90度進む
  • 電圧と電流の差:電流は電圧より90度進む

交流回路にコンデンサを接続すると、電圧より90度位相が進んだ電流が流れます。
交流回路では、コンデンサは容量性リアクタンスと言い、コンデンサが交流電流を進ませる働きをします。
なぜコンデンサが容量性で進ませるかは以下の通りです。

コンデンサは、電荷を蓄える働きをします。
そのため、電流を進ませる働きをします。
コンデンサは蓄えることができることから容量性と呼ばれています。

電流Iの求め方は以下の通りです。

電流の求め方

${{{I}\scriptstyle C} = \dfrac{V}{{X}\scriptstyle C}}$

容量性リアクタンスを流れる電流は、周波数が低くなると流れにくくなります。
周波数は電流に比例し、容量性リアクタンスと反比例します

交流回路に欠かせないインピーダンスとは?

直流回路では抵抗のみでしたが、交流回路では、抵抗やコイル、コンデンサなど抵抗成分は、「合成インピーダンス(別名:インピーダンスZ)」と呼ばれています。

直流回路の合成インピーダンスとは?

図のような交流回路の抵抗とコイル(誘導性リアクタンス)の直接接続の合成インピーダンスは、以下のような公式で求めることができます。

合成インピーダンス

${Z = \sqrt{\smash[b]{R^2}+{{X\scriptstyle L}^2}}}$

インピーダンスZを求める式は「三平方の定理」と同様です。

インピーダンスZを元に、交流回路のオームの法則は以下のように変換できます。

◆合成インピーダンスZ

合成インピーダンス

${Z = \sqrt{\smash[b]{R^2}+{{X\scriptstyle L}^2}}}$

◆電流

電流

${I = \dfrac{V}{Z} = \dfrac{V}{\sqrt{\smash[b]{R^2}+{{X\scriptstyle L}^2}}}}$

◆電圧

電圧

${V = \sqrt{{{V\scriptstyle R}^2}+{{V\scriptstyle XL}^2}}}$

交流の並列回路の合成電流とは?

① 抵抗とコイル(誘導性リアクタンス)の並列回路

交流回路の抵抗と、コイル(誘導性リアクタンス)の並列接続の合成電流Iは、次のような公式で求めることができます。

合成電流

合成電流 ${I = \sqrt{{I\scriptstyle R}^2+{I\scriptstyle XL}^2}}$

② 抵抗とコンデンサ(容量性リアクタンス)の並列回路

交流回路の抵抗と、コンデンサ(容量性リアクタンス)の並列接続の合成電流Iは、次のような公式で求めることができます。

合成電流

合成電流 ${I = \sqrt{{I\scriptstyle R}^2+{I\scriptstyle XC}^2}}$

交流回路の消費電力と力率とは?

交流回路では、抵抗とともにコイルやコンデンサを含んでいますが、電力を消費するのは抵抗だけです。
そのため、回路に供給された電力に対して、実際に消費した電力とは大きさが違います。

消費電力
  • 回路に供給される電力:皮相電力
  • 実際に消費した電力:有効電力 or 消費電力
  • 皮相電力に対する有効電力の割合:力率

または、力率は、以下の公式で求めることができます。

力率

${力率 = \dfrac{有効電力(消費電力)}{皮相電力}}$

交流回路では、抵抗だけが電力を消費するので、有効電力(消費電力)P(W)は、次のような公式で求めることができます。

有効電力

${P = VIcosθ}$

力率改善コンデンサとは?

交流回路では、コイルがあると電圧と電流の位相のずれが生じるため、力率が悪くなります。
電圧と電流の時間のずれが大きいほど力率が悪く、流れる電流も大きくなります。
力率が低いときは、コンデンサを負荷と並列につないで力率を改善します。
力率を改善すると回路に流れる電流が減少します。

そのため、このコンデンサは、力率改善コンデンサと呼ばれています。

まとめ

交流回路では、直流回路とは異なり、抵抗以外にも負荷が発生します。
そのため、覚えることが多くありますが、しっかりと覚えて試験対策と行っていきましょう。

そこで、今回は第二種電気工事士の仕事内容や、魅力について徹底解説していきます。

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