電験三種は、発電所や変電所、工場やビルなどに設置されている電気設備の保守・監督を行うための資格です。
年2回開催され、“理論”、”電力”、”機械”、”法規”の合格すると、試験に合格となります。
電気業界で電験三種を取得すると安定して働くことができると言われています。
そんな電験三種の気になる試験の合格率や、合格発表日、難易度などわかりやすく解説していきます。
目次
電験三種の難易度
電験三種は、幅広い業務を行うことができることから、人気が高く、受験する人も多いです。
現在も人気が高く、取得すると多くの企業からオファーがくる状況にもなります。
そこで本章では、電験三種を受験する方に向けて、試験の難易度について解説しています。
電験三種の難易度は、高
電験三種は、ECEE(一般財団法人電気技術者試験センター)が運営する、電気系の国家資格の1つです。
電気系の国家資格の中だと難易度が高く、後ほど説明いたしますが、合格率は10%を下回ります。
気になる難易度ですが、「高」です。なぜ、難易度を高いとしたかは以下の通りです。
- 合格率が10%以下と低い
- “理論”、”電力”、”機械”、”法規”と勉強する領域が広い
- 過去問対策だけでは合格できない
しっかりと、4科目それぞれ対策を行うことが合格に近づくことができます。
試験の範囲が広いので対策が必要
電験三種は、4科目出題されることから出題問題が幅広いです。そのため、広範囲にわたり対策を練らなければいけません。
- 直流回路
- 静電気
- 電磁力
- 交流回路
- 三相交流回路
- 過渡現象とその他の波形
- 電子理論
- 電気測定
- 水力発電
- 火力発電
- 原子力発電
- その他の発電
- 変電所
- 送電
- 配電
- 地中電線路
- 電気材料
- 電力計算
- 線路計算
- 電線のたるみと支線
- 直流機
- 変圧器
- 誘導機
- 同期機
- パワーエレクトロニクス
- 自動制御
- 情報
- 照明
- 電熱
- 電動機応用
- 電気化学
- 電気事業法
- その他の電気関連法規
- 電気設備の技術基準・解釈
- 電気設備技術基準(計算)
- 発電用風力設備の技術基準
- 電気施設管理
電験三種は独学でも合格できる
電験三種は、独学でも合格することはできますが、難易度が相当高いため、本気で合格を目指している場合、スクールや講座などで受験をすることをお勧めします。
電験三種の合格率は?
電験三種の合格点と合格率について解説していきます。
合格率は、毎年の傾向をもとに算出しています。
合格点は、4科目、60点以上で合格
電験三種の合格点は以下の通りです。
合格ラインとして、4科目全て60点以上で合格することで、合格となります。
科目 | 問題数 | 配点 | 試験時間 |
---|---|---|---|
理論 | A問題:14題、B問題:3題 | A問題:各5点、B問題:各10点 | 90分 |
電力 | A問題:14題、B問題:3題 | A問題:各5点、B問題:各10点 | 90分 |
機械 | A問題:14題、B問題:3題 | A問題:各5点、B問題:各10点 | 90分 |
法規 | A問題:10題、B問題:3題 | A問題:各6点、B問題:各13~14点 | 90分 |
電験三種の合格率は、およそ 8%
電験三種の合格率は以下の通りです。およそ8%が合格ラインです!
2022年より年2回の受験が可能となりましたので、合格率が上がる可能性があります。
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2021年 | 37,765人 | 4,357人 | 11.5% |
2020年 | 39,010人 | 3,836人 | 9.8% |
2019年 | 41,543人 | 3,879人 | 9.3% |
2018年 | 42,976人 | 3,918人 | 9.1% |
2017年 | 45,720人 | 3,698人 | 8.1% |
2016年 | 46,552人 | 3,980人 | 8.5% |
2015年 | 45,311人 | 3,502人 | 7.7% |
2014年 | 48,681人 | 4,102人 | 8.4% |
2013年 | 49,575人 | 4,311人 | 8.7% |
2012年 | 49,452人 | 2,895人 | 5.9% |
他の電気系の資格との難易度を比較
電験三種は難易度が高く、一度取得すると一生持っていることができるので、受験する方も非常に多いです。
ただし、電験三種以外にも電気系の国家資格は多く存在します。
そこで本章では「電気工事施工管理技士」、「第二種電気工事士」との難易度を比較してみます。
電気工事施工管理技士(2級):中くらいの難易度
「電気工事施工管理技士」は、工事の保安監督や、施工計画、工事品質などを管理を行うことができる国家資格です。
現場の工事は行うことができず、現場の監督業に専念する資格です。
合格率がおよそ40%〜60%の資格であり、難易度としては、第二種電気工事士と同等くらいになります。
「電気工事士」は現場の作業を行うことができる資格。
「電気工事施工管理技士」は現場の作業を行うことができず、監督する資格。
実際に、どちらの資格をとった方が有利などはありません。
ぜひ、仕事やキャリアアップの参考になる資格を取得してください。
第二種電気工事士:中くらいの難易度
「第二種電気工事士」は、一般住宅や小規模オフィスなどの電気配線などを行うことができる国家資格です。
合格率は、「筆記試験で60%」、「実技試験で70%」となっております。
電験三種のおすすめ勉強法
電験三種の学習計画を立てる上で、勉強時間の目安を知っておくと立てやすいと思います。
そこで本章では、電験三種の勉強時間や、学習ステップなど解説していきます。
勉強時間の目安から1日あたりの勉強時間を割り出して、計画的に学習を進めてみてください。
電験三種の合格には、最低でも1,000時間以上
電験三種の合格率は、10%以下です。これは、電験三種の合格には、多くの時間がかかることが考えられます。
気になる勉強時間ですが、最低でも1,000時間以上必要と言われています。
ここは必ずしも、1,000時間以上勉強すべきというわけではありませんが、おおよそ1,000時間以上の学習は必要となってきます。
“理論”、”電力”、”機械”、”法規”という4科目のテストがあり、それぞれ難易度も大学で学習するような内容です。
仮に、1日2時間、毎日勉強した場合は、約1年半ほど学習期間が必要となります。
つまり、継続して勉強していくことが重要となってきます。
まずは、”理論”からスタート
電験三種は、以下のように4つの科目に合格する必要があります。
試験科目 | 学習内容 |
---|---|
理論 | 電気理論など電気の基礎理論など出題 |
電力 | 発電原理や送配電の理論など出題 |
機械 | 変圧器や発電機・電動機など出題 |
法規 | 電気関係の法律や、施設管理など出題 |
4つの科目のどこから学習していくかが重要ですが、まずは「理論」から学習していくことをお勧めしています。
なぜかといいますと、「理論」が一番難しいからです。
理論では、電気の基礎から応用などの問題が出題されますが、「数学」ができない場合は苦労する部分も多くあります。
そのため、まず「理論」を着実にとっていきましょう!
その後、残りの3つを取得することをお勧めしています。
電験三種の合格発表日
電験三種の合格発表日は以下の通りです。
- 上期試験合格発表日:10月下旬
- 下期試験合格発表日:5月下旬(仮)
試験センターのホームページで、各試験の合格発表予定日から1ヶ月間、それぞれの受験番号で合否を検索できます。
まとめ
電験三種の合格率は、10%前後です。
長期戦となりますが、しっかりと対策を練って試験に挑戦してみてください。
ぜひ、合格率や難易度を参考に、試験に挑戦してみてください。
仮に1日2時間勉強する場合は、1ヶ月で合格することができます。
第二種電気工事士の過去問は10年分、勉強していくと十分な対策と言えるでしょう。